概要

このプロジェクトでは、糖尿病を完全に治療する方法を開発することを目指しています。今の治療法は、血糖値のバランスを取ることに重点を置いていますが、糖尿病そのものを完全に治すわけではありません。さらに、糖尿病や糖尿病の合併症は、一度起きると治りにくい問題もあります。

この問題を解決するため、私たちは糖尿病の根本原因となる特定の細胞に焦点を当てています。まずは、その細胞を見つけるための新しい検査薬を作ります。そして、糖尿病を完全に治す新しい薬の開発に取り組む予定です。私たちの目標は、本当の意味で糖尿病を治す方法を見つけることです。

ポイント

ポイント① 糖尿病とともに生きる人は世界に5億3700万人

→ 成人の10人に1人が糖尿病です。高齢者では5人に1人が糖尿病です。

世界の総医療費の10%以上が糖尿病で、135兆円近くかかり、世界の医療経済を圧迫しています。

ポイント②  現在、糖尿病は一旦発症すると治らない病気

→ 現在、専門医でも治るとは言っていません。糖尿病は一旦発症すると治らない病気との認識が一般的です。

糖尿病治療は血糖コントロールという対処療法で、未だに「完治させる治療薬」は存在していません。

ポイント③  しかし、我々の研究では、糖尿病が完治することが分かった

→ インスリンとHDAC阻害剤の経口投与
※或いは静脈注射にて、マウスの実験で完治を実証しています。

→ 実は膵臓が直接の原因ではなく、骨髄中の造血幹細胞の異常が原因でしす。

よって、飲み薬で糖尿病が完治してしまうことが実現可能になる可能性があります

【ポイント① 世界の糖尿病の人口】 – 糖尿病とともに生きる人は世界に5億3700万人 –

International Diabetes FederationのIDF Diabetes Atlasより
図 International Diabetes Federation の IDF Diabetes Atlas より
International Diabetes FederationのIDF Diabetes Atlasの値より
グラフ International Diabetes Federation の IDF Diabetes Atlas の値より

糖尿病は世界的な問題となっています。世界の大人の10人に1人以上が糖尿病を持っており、さらに、一部の国では5人に1人が糖尿病患者です。

具体的に数字で見ると、2000年には20歳から79歳までの大人で、糖尿病を持っている人は、全世界で1億5100万人(世界人口の4.6%)でした。しかし、現在は5億3700万人(10.5%)まで増加して3倍以上になりました。

このままのペースで増加し続けると、2030年には6億4300万人(11.3%)、2045年には7億8300万人(12.2%)が糖尿病患者になると言われています。

糖尿病の患者数は急速に増加しており、これからも増え続ける可能性が高い病気です。

【ポイント② 糖尿病を完治する薬】 – 現在、糖尿病は一旦発症すると治らない病気 –

糖尿病の完治を可能にする薬の開発は、現在治療法が限られているこの病気に新たな希望をもたらす重要な進歩です。糖尿病は、一度発症すると現在の医学では完治が難しいとされています。患者は生涯にわたって血糖値の管理と合併症のリスクに直面し続けます。しかし、完治薬の開発に成功すれば、これらの課題を根本から解決し、患者の生活の質を劇的に向上させることができます。

この画期的な治療法の研究開発に取り組んでいます。糖尿病の完治薬を市場に提供することで、患者の健康と福祉の向上に寄与すると共に、医療費の削減や社会経済的な負担の軽減にも貢献します。糖尿病は世界的な健康問題であり、その解決は社会全体にとってもメリットが大きいのです。

我々のミッションは、糖尿病という長年の医学的挑戦に対して、革新的な解決策を提供することです。この目標を達成するために、最先端の研究と患者のニーズに基づいたアプローチを追求しています。糖尿病患者に新たな希望を与えるため、私たちは日々努力を続けています。

【ポイント③ 論文と研究結果】 – 我々の研究では、糖尿病が完治することが分かった –

グラフ 糖尿病にしたマウスに対して、9週間薬を投与し続けた結果 紫と赤色の値は、薬の投与を辞めても血糖値は下がっている
グラフ 糖尿病にしたマウスに対して、9週間薬を投与し続けた結果 紫と赤色の値は、薬の投与を辞めても血糖値は下がっている
図 造血幹細胞の分化の様子 "/>
図 造血幹細胞の分化の様子
図 組織再生時に働く造血幹細胞由来システムの糖尿病における異常
図 組織再生時に働く造血幹細胞由来システムの糖尿病における異常

我々の研究では、糖尿病が完治することが分かり、糖尿病及び糖尿病の合併症は治療で完治(寛解)させることが可能だと分かりました。また、それを論文ですべて証明を行い、結果が認められている状況です。

(マウスでの糖尿病の完全な寛解)
Communications Biology volume 6, Article number: 637 (2023)
https://www.nature.com/articles/s42003-023-05010-x

(糖尿病の合併症の治療)
Communications Biology volume 4, Article number: 575 (2021)
https://www.nature.com/articles/s42003-021-02082-5

骨髄の中にあり、血液成分に分化する造血幹細胞が高血糖により異常をきたし、ずっと居座るあるいは異常を記憶していることが原因であることが分かりました。この細胞を薬剤で無くすことにより元に戻る(すなわち治癒する)ことが可能になっています。

「なぜ、薬剤(HDAC阻害剤)は効くのか?」という疑問の回答は、「なぜ、糖尿病は直らなかったか?」という疑問の回答になります。

造血幹細胞が高血糖により、HDACの発現に異常をきたし、その細胞が色々な臓器に遊走し、細胞・組織の機能を破壊します。ゆえに、その解決方法として、薬剤を直接的に作用させ、その異常な造血幹細胞を無くすように治療するのです。

事業展開

図 膵臓の写真 左が健康なマウスで、右が糖尿病のマウス。異常な造血幹細胞が写る
図 膵臓の写真 左が健康なマウスで、右が糖尿病のマウス。異常な造血幹細胞が写る
図 未治療STZ糖尿病マウスの肝臓に出現したインスリン陽性細胞(上段)と遺伝子治療による肝臓に出現した膵島(下段)の比較
図 未治療STZ糖尿病マウスの肝臓に出現したインスリン陽性細胞(上段)と遺伝子治療による肝臓に出現した膵島(下段)の比較
図 薬剤(HDAC阻害剤)によって起きたそれぞれの発現量の変化
図 薬剤(HDAC阻害剤)によって起きたそれぞれの発現量の変化

糖尿病完治・治療薬の戦略

HDAC阻害剤は、既に他の効能効果で上市されているため(要は既に市販されている薬であるため)、薬剤としての安全性は確保されています。よって、開発費や期間は新薬ほど掛からずに、元々あった薬の用途とは別の「糖尿病に対する治療効果」について、臨床開発を行います。臨床試験(治験)を通じて有効性と安全性を評価ならびに検証、当局へ承認申請を行い最終的に国から医薬品として製造販売承認を得る予定です。

この薬剤は糖尿病合併症(腎症・網膜症・神経障害等)にも効くので、併せて臨床開発を行います。また、上記の事業を進めながら、既存のHDAC阻害剤よりも優れた新薬開発を行います。

2024年中に第1相試験を開始、2025年中には第Ⅲ相試験に入ることを目標としています。また、動物ペット用の治療薬は、ヒトの治験とは異なり、早く承認を得られることができるので、より早く販売させることを目指しています

国内においては、治験の第Ⅱa相試験にて、薬理効果の確認までを当社単体で目指しています。また国外との企業提携において、国外での治験も行う予定です。弊社は、糖尿病治療に関する世界シェアの1%の獲得で、年間1兆円規模の売上が見込まれるので、上場というところをターゲットにせず、今後は製薬会社等との提携などで、単に早期の薬剤の販売を目指しています。

糖尿病の新たな診断薬の開発

糖尿病不治の原因となる異常な幹細胞を特定する新たな診断薬の開発を行う。これによって、従来の空腹時の血糖値やヘモグロビンA1C(HbA1C)の値に変わる、白か黒かの判断が可能になります。新たな糖尿病の診断薬が市場に登場した場合、それは医療業界における大きな進歩となり、さまざまなインパクトを生むことになる。

ただし、新たな診断薬としての導入は、診断精度の向上につながると同時に現行の保険制度や規制環境の変化を必要とする場合もある。よって、まずは糖尿病と診断されている患者の寛解の指標だけに絞るなどの段階的な導入・採用を目指す。

ペット用の糖尿病治療薬及びその合併症の治療薬の開発

ペット関連の市場は13兆円規模と予測され、ペット用の製薬に関してもかなりの市場規模が考えられるます。ペット用の製薬に関しても、数兆円規模の市場あります。(ペット用の薬は、ヒト向けのモノを使われる場合が多いが、ペットだけをターゲットにした製薬会社も存在しています)

ペット用の製薬はヒトの薬と違い、数年規模の治験のプロセスが存在せず、農林水産省の承認のみで行えます。また、ペット用の製薬会社より、一定の実験で効用が確認されれば、薬の販売に関する専売の契約料として、数十億円規模のランセンス費が毎年得られると予測されます。

FAQ

よくあるご質問

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