「糖尿病が完治する」という研究の論文が、科学雑誌「Communications Biology」に掲載されました
我々のチームは糖尿病の治療に関する新しい進展を発見し、その成果を論文にまとめて発表しました。
この研究では、糖尿病およびその合併症が治療により寛解(完治)に導かれる可能性が示唆されています。この成果は、2023年6月13日に科学雑誌「Communications Biology」に掲載され、その中で「糖尿病治療の新しい突破口」として報告されました。
具体的には、糖尿病マウスモデルを用いて、インスリン治療とHDAC阻害剤ジビノスタットの併用による治療法を試みました。この方法により、糖尿病の完全な寛解が達成されることが確認されました。
さらに、糖尿病に関連する骨髄細胞の異常がβ細胞の再生を妨げている可能性を示唆し、骨髄移植やエピジェネティックな修正を通じた治療法の提案を行いました。特に、HDAC阻害剤による治療は、インスリン治療を停止した後も血糖値が正常範囲を維持するという効果が確認され、これは糖尿病治療の新たなアプローチとして注目されています。
本日掲載された論文:
Complete remission of diabetes with a transient HDAC inhibitor and insulin in streptozotocin mice
(マウスでの糖尿病の完全な寛解)
Communications Biology volume 6, Article number: 637 (2023)
https://www.nature.com/articles/s42003-023-05010-x
関連論文:
Malfunctioning CD106-positive, short-term hematopoietic stem cells trigger diabetic neuropathy in mice by cell fusion
(糖尿病の合併症の治療)
Communications Biology volume 4, Article number: 575 (2021)
https://www.nature.com/articles/s42003-021-02082-5